JukeboX

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

JukeboX

木から落ちたリンゴは元には戻らない

MENU

orionから見る変わっていく米津玄師の曲についていろいろ申す。

 

f:id:Whitegame:20170221154034j:plain

オリオンです…ハイ

 

 

米津の最新シングルがまた発売されます。一年間音沙汰のなかった彼ですがナンバーナインのシングルでMV投稿頻度も元に戻りました。

作曲家よび作詞は自身の心境や環境に影響されやすいというのはあるかもしれませんが、私はかつてここまで曲調の変化が機敏な歌手を見たことがありません。

たとえばテイラースウィフトという有名なアメリカのポップアーティストがいあmすが、彼女もカントリー調からポップ調の曲に様変わりしています。ですが、そういう場合は大体「固定層が集う自分に新しいニーズを生み出す」という目的が大きいのですが、米津氏の場合は自然と変わっていってる(意図して変えていたらすいません)のような気がします。

彼自身での変化はYoutubeのコメント欄からもうかがえます。

 

アルバムを再度すべて聞いてみました。米津さんの曲を「アイネクライネ」もといMVで出ている曲しか知らない人は分かりにくいと思いますが、Amazonのサンプル視聴でも十二分に伝わるとおもうので是非。

diorama

diorama

 

 例えばdioramaなら彼がハチという偽名から米津玄師という本名で初めて出したアルバム。まさに一曲目街のサビである君から逃抜け出した君だは自身なのじゃないでしょうか?

全体的に聞きなれないリズムと和音不気味な雰囲気は確かにハチさんだということを裏付けています。

 

回る発条のアンドロイド 僕の声と頭はがらんどう いつも最低な気分さ 君に愛されたいと願っていたい ずっと病欠のセブンティーン 曇らないまま今日を空き缶に 空の雷管とペーパーバッグ 馬鹿みたいに呼吸を詰め入れた あいも変わらずにアンドロイド 君を本当の嘘で騙すんだ 僕は幽霊だ 本当さ 君の目には見えないだろうけど そんなこんなで歌っては 行進する幽霊船だ 善いも悪いもいよいよ無い 閑静な街を行く

横に並べるとわかりにくいと思いますが、「ゴーゴー幽霊船」の歌詞 

 

小さなバスで暮らしている 少女はいつでも待っている ひとり
呆けた色に変わっている 緑と木目と蛍光灯 ひとり

愛されては 宙に浮かんだ 夢のあと 探して歌ってる
ピンホールの あやふやな写真ばっか
並んで凍えてる

ねえ あなたとふたりで逃げ出した
あのほの灯りへと行きませんか
煉瓦の短いトンネルを 潜り抜けるのをためらって
何でもないような秘密つくって 二人は共犯者になって
とても深くまで落ちたこと 口を開いてしまったこと

dirama収録曲中私が一番好きな「乾涸びたバスひとつ」の一部

 

どうでしょう。言葉選びが非常に秀逸です。今もそうですが、このころはさらにそれが際立っていたころだと思います。

そして、気づいてほしいのが歌詞に動力がないことです。ストーリー性も見えません。

ぼんやりとなら物語が想像できそうですが、ちりばめられた語句一つ一つに意味を添えるのはいささか失礼なほど散っているのです。

 

夢のあと探してもバスから出ていないですし、逃げ出したのも過去の話です。

ゴーゴー幽霊船も自分が幽霊だが具体的に何をしているかは全く描写がなく、願ったり叫んだりしているだけです。他曲も同様にdioramaでは全体的にどうすることもできない叫びのようなものを体現しているような気がします…

 

 

 みんな持ってるYANKEE

YANKEE (通常盤)

YANKEE (通常盤)

 

 YANKEEで暗い米津氏の空が紫がかります。空が開けようとしているようです。

 

まず知らない人はいないい有名な曲の歌詞から(アイネクライネ)

あたしあなたに会えて本当に嬉しいのに
当たり前のようにそれらすべてが悲しいんだ
今痛いくらい幸せな思い出が
いつか来るお別れを育てて歩く

誰かの居場所を奪い生きるくらいならばもう
あたしは石ころにでもなれたならいいな
だとしたら勘違いも戸惑いもない
そうやってあなたまでも知らないままで

あなたにあたしの思いが全部伝わってほしいのに
誰にも言えない秘密があって嘘をついてしまうのだ
あなたが思えば思うよりいくつもあたしは意気地ないのに
どうして

消えない悲しみも綻びもあなたといれば
それでよかったねと笑えるのがどんなに嬉しいか
目の前の全てがぼやけては溶けてゆくような
奇跡であふれて足りないや
あたしの名前を呼んでくれた

 

開始して最初に嬉しいという言葉、diramaではありませんでした。例:vivi「悲しくて飲み込んだ言葉―」ですが、そのあとそれらすべては悲しいそうです。

ここが非常に重要。全体的にはピアノの明るい美しさと刻むようなギターの暗い部分が混ざり合った曲で、こんな私にこれ以上ない幸せを与えてくれる「あなた」がいるという歌詞。

こんな自分という自分を卑下する表現はいかにもdioramaの残り香が感じられます。ですがYANKEEEではなぜだかわからないけど手を差し伸べてくれる人がいます。

WOODEN DOLLがまるでそんな自分を嫌う人に歌うように歌詞が作られています。

 

ここが一つ目の特徴「暗→明」の描写が増えた

 

(同じようにあの子は誰の手もするりすり抜けて
いつも一人でいたんだ 諦めるように泣いて)

戦うやつらはあの子を笑う 戦わない歌うたうから

(戦うやつらはあの子を笑う 戦わない歌うたうから)

あの街灯の上 座っていたんだ
君は灯に乗って街を見下ろしたアイロニー
風がそのスカートを撫でていく
ここは永遠を刻んで潰した
生者と死者の 確かな隙間 カーマシティ
君はほら街を外れて 消えていく

 

                                                      

私の一番好きなKARMA CITY です。最初聞いたときは天才と思いました…落ちつた曲調にきれいな街の情景が浮かび上がっては消えていくような不思議な気持ちになる一曲です。

この歌詞や百鬼夜行、そしてCOVERであるドーナツホール、サンタマリアは、今まで同様散らかった歌詞と見えないストーリー性が歌われており、ハチやdioramaの雰囲気が継承されているといえます。ただ全体的にハイテンポなのでdioramaより明るく聞こえます。

二つ目の特徴 「ストーリー性を少し持ち始める」

 

それだけでなく倦怠期を描くようなメランコリーキッチンやアイネクライネはストーリー性を少なからず持っていますが、少し黒い部分「言えないな嫌いになったよなんて」「いつか来るお別れを育てて歩く」 

 

 

ある意味、今の米津とハチの融合点だったとも言えますね。だからこそこんなにも多彩な曲が並んだのかもしれません。明だけじゃなく暗も描き出すことで、人の心に刺さるということもあるでしょうね

 

 

 

Bremen

Bremen

 

 朝があけるようにアンビリーバーズこのアルバム全体を象徴しています。ドーナツホールを除くとKARMA CITYがYANKEEのトラック番号が最後の曲ですから、ある意味本当に夜が明けたともいえるでしょう。

米津玄師 MV「アンビリーバーズ」 - YouTube

そうかそれがならば そんなもの要らないよ僕は
こうしてちゃんと生きてるから 心配いらないよ
帰る場所も無く僕らは ずっと向こうまで逃げるんだ
どんな場所へ辿り着こうと ゲラゲラ笑ってやろうぜ

今は信じない 果てのない悲しみを
太陽を見ていた 地面に立ちすくんだまま
それでも僕ら 空を飛ぼうと 夢を見て朝を繋いでいく
全て受け止めて一緒に笑おうか

 

散々あった「悲しみ」は信じない、卑下した自分は自信にみなぎり、むしろリードしています(笑)

 

最初は衝撃でしたね。「愛」を描く点においては変わらないのに、こんなにも眩しく明るくなるとは…

音の数は増え電子音を多様に盛り込んでいる点にも注目。

メトロノームやアンビリーバーズ、あたしはゆうれいなどもそうですね。

 

ずっと叶わない思いばかりを募らせていては
互いに傷つけ合って 責め立て合った
ただ想ってただなんて 言い訳もできずに
去り行く裾さえ掴めないでいた
弱かった僕だ

(中略)

今日がどんな日でも 何をしていようとも
僕はあなたを愛してしまうだろう
伝えたい思いが募っていくまま
一つも減らない僕を
笑い飛ばしてほしいんだ

あなたがいてほしいんだ

 

暗い曲(失恋)もストーリーが鮮明にわかり、悲しい理由を自分で理解しています。

アイネクライネの「どうして」とそういった意味では対を為すかもしれませんね。

歌詞を眺めていると良くも悪くも素直に心が描き出され、言葉は散らかることなく整然と並んで見えます。

 

ハッピーなエンドがいいんだよ 誰だって喜べるみたいなさ
そんなことを思いながら僕はずっと生きていくのか
いつかもし僕の心が 完全に満たされたとしたなら
その瞬間に僕は引き金をひきたい

どんな今も呑み込んでいけば過去に変わっていく
進む方はただひとつ
いつだってさ この退屈をかみちぎり僕は
駆け抜けて会いにいくんだ
あのトンネルの先へさ

私のお気に入りの「Under cover」まぁようは貪欲に生きようぜ! ってことで…

diramaの頃の一つの視点からの叫びは動いていることに気付いてほしいのです。

「逃げる」「会いに行くんだ」などあたしはゆうれいを除く殆どの歌で自分が動いているのです。

 

Bremenはストーリー性を持った歌詞、電子音や擬音語が増えて明るいくなったメロディ、立ち止まってるより動いて前に行こうとするプラスな歌が多いです(dioramaは別に-じゃないですけど)。 

Flower wallとか夏の朝靄が合いそうで実にきれいな歌ですよね~、次は私の予想だと「昼」なわけですが…

 

 

 ファンの間でもあまりの変化に騒然となったBremenから一年。

LOSER/ナンバーナイン

LOSER/ナンバーナイン

 

 ナンバーナインがアナウンスされ、初のMV「LOSER」今までにない米津氏踊る踊る踊る…ハイテンポなリズムと珍しく早めの歌詞が特徴。

音の量はさらに増えて、聞いているだけでも贅沢なメロディーに仕上がっています。Bremenと同様、ほかの曲にもみられるようにボクやアナタだけでなく「僕ら」などの複数形がBremenを感じさせる一方、歌詞は再び「叫び」へと変わっている。しかしdioramaの頃のような言葉遊びはなくまっすぐな曲が多く、動力はある一曲を除きある

 

 I’m a LOSER どうせだったら遠吠えだっていいだろう

もう一回 もう一回 通せ 僕らの声

I’m a LOSER ずっと前から聞こえてた

いつか ポケットに隠した声が

ああだのこうだの知ったもんか 幸先の空は悪天候

ほら窓から覗いた摩天楼 照らすが塵のよう

やんも変わるも昔の人よ また襟立ててもしょうがないの

今立ち上がるためのお勉強 ほがらかな表情

踊る阿呆に 見る阿呆 我らそれを傍から笑う阿呆

でかい自意識抱えこんではもう摩耗 すり減って残るすっぱい葡萄

膝抱えても何もねえ ほら 長い前髪で前が見えねえ

笑っちまうね パッと飽きたって フワッと消えちゃえるこんな輪廻

 

 三曲すべて聞いて思うのは、「愛」を中心に歌っていた今までの曲と比べて、なんだか元気になるフレーズが多い気がする。随所に米津氏の叫びのようなものが含まれており、テレビの取材でも「いままでは一人でやってきたが今はいろんなことをほかの人とやりたい」と答えたように、新境地に立ったような曲が収録されている。

 

そんななか異色の一曲amen

怒りが満ちる 黒い炎を纏って
どうかわたしの この心を 赦してくれやしないか
さもなければ その清い雷を以って
わたしの身を 灰になるまで 焼いてくれないか

音を立てて燃える部屋の中ひとり
歯軋りみたいに火の粉は舞う 酸素を食べて育つ
ありがとう 今 身をやつす苦渋の全てに
再会を願い 今日はおやすみ また明日

お願い ママ パパ この世に生まれたその意味を
教えて欲しいの わたしに
悲しい思い出はいらないから ただただ美しい思い出を
祈りの言葉を

LOSERが発売されるまでこの曲を聴いた人はいないだろう。あえてこれを公に動画として作らなかったのかは、米津氏の変化を推察する材料になる。

歌詞では伝わらないかもしれないが、この曲すごいハチっぽいのである。「まだこの頃の力を持っていたか!」と思ってしまう。diramaの裏返しとなるこのシングル内三曲において、あきらかに浮いた曲ともいえるだろう。

 米津=アイネクライネという印象がついてしまっている今、人の心に響く聞いてもらえるのはamenのような動力のない祈るだけの歌ではなくLOSERのような踊って歌って手を叩く歌なんだな…と寂しさを感じてしまう。

 

 

そして「何者」でのコラボ、「orion」でのコラボ

今まではCMソングになることはあっても、曲をお願いされて作ったということはなかったがテレビでの取材の回答のとおり、多方面へ活躍の場を広げた。

www.youtube.com

 

 

ピアノのスローな始まり、この時点でアイネクライネのような優しい雰囲気に吸い込まれます。AメロとBメロとサビが空いており、急に盛り上がるのがまたいいですね。

 

あなたの指が その胸が その瞳が
眩しくて 少し 眩暈がする 夜もある

それは不意に落ちてきて あまりにも暖かくて
飲み込んだ 七色の星
弾ける火花みたいに ぎゅっと僕を困らせた
それでまた歩いていけること 教わったんだ

神様 どうか 声を聞かせて
ほんのちょっとでいいから
もう二度と 離れないように
あなたと二人 あの星座のように
結んで欲しくて
私はこれが三月のライオンの主題歌と聞いてびっくりしました。三月のライオンは将棋漫画であり恋愛じゃないのにこの歌詞を用意したところにセンスを感じる。
 
 
とにかく今後も彼の同行に注目だ
広告を非表示にする